ユーザーが喜ばないものを作ってない?作るべきものを明らかにする仕組み「インセプションデッキ」


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「リーダー、こんな機能一体誰が使うんですか?」
「それは既に決まっていることなんだから余計なこと考えずに作れ」

「ひと通り作りましたので確認をお願いします」
「うーん、なんか使いにくいねぇ」

こういうのってソフトウェア開発の現場でよくありますよね。残念なことに。

「言われた通り作ってあれば俺達に責任はないだろ?」みたいな主張も聞こえますが、ぼくたちの仕事は「ソフトウェアを作ること」ではなくて「ユーザー(顧客)が実現したいことをソフトウェアで叶えること」なので責任オオアリだと思ってます。

ユーザー(顧客)が欲しいって言ったものが「実現したいこと」でしょ?と考えてしまうところですが、それたぶん違います。思ってるほどユーザー(顧客)って実現したいことを口にしないです。

じゃあどうしたらいいのかな?ということで、そこでインセプションデッキというフレームワークを活用するといいよっていう話ですね。

ぼくたちのチームでも実践しているのですが、もっと有効に機能する余地があるはずだと感じていたので、他のチームがどう実践しているのかを知りたくてイベントに参加してきました。

Agile Samurai Basecamp 2014 InceptionDeck(Again)

agilesamurai-basecamp.doorkeeper.jp/events/17483

ちょっと振り返ってみますね。

インセプションデッキとは?

インセプションデッキについてはたくさん情報があるので紹介だけ。

参考:Agile Samurai インセプションデッキ

www.slideshare.net/rootmoon/agile-samurai

Jonathan Rasmussonさんという方が書いた「アジャイルサムライ」という本に書いてあるフレームワークのことで、プロダクトを作ることについてWHYとHOWを明らかにするための10の質問を考えてみようというものです。

10の質問

WHY

  • 我われはなぜここにいるのか
  • エレベーターピッチを作る
  • パッケージデザインを作る
  • やらないことリストを作る
  • 「ご近所さん」を探せ

HOW

  • 解決案を描く
  • 夜も眠れなくなるような問題は何だろう
  • 期間を見極める
  • 何を諦めるのかをはっきりさせる
  • 何がどれだけ必要なのか

実践紹介

及部 敬雄(@TAKAKING22)さん

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及部さんの実践発表が衝撃だったので一番最初に紹介。個人的に大ヒット。

アジャイルな取り組みはインセプションデッキもそうですが、非常にとっつきづらいです。

「アジャイル」という言葉の持つイメージは、あえて悪い言い方をすると、「壁の向こう側にいる自分とは関係のない意識高い系の人達だけがやってる謎の儀式」です。冗談抜きでこんな風に捉えてましたし、今でもそういう風に感じてる人多いんじゃないですかね?どうでしょう?

それを思い切りぶっ壊した感のあるカスタマイズインセプションデッキのお話。ぼくたちのようなチームならこういうテイストの方が絶対マッチすると思います。これは真似しよう。

特筆したいのは、作ったインセプションデッキをプロジェクトのwikiのTOPページにするというがすごくいい。

作ったスライドは共有フォルダにおいておくのではなくて掲示しましょうっというのが一般的だと思いますが、掲示するなんてダサいし、第一そんなんただの風景になってしまうやんって思っていたので。

西村直人さん「はじめてのインセプションデッキ」

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インセプションデッキを作る目的

なんでインセプションデッキ作るの?っていう話なんですが、

「あなたの上長に花買ってこいと依頼されたとして、いくらくらいのどんな花を買っていく?」

という会場への質問を投げかけたところ、500円の一輪の花だったり、5000円の花束だったり、見事にバラバラな回答。

「上長はなぜその花が欲しいのか?」を明らかにしないとこのようにバラバラになってしまうよね。ソフトウェア開発プロジェクトだって同じだよね。っていう例えが非常にわかりやすかった。

一人インセプションデッキ

インセプションデッキの入門編ということで、一人でインセプションデッキを作ってみようというワークショップがありました。

ある1つのプロダクトについて、自分でインセプションデッキを作ってみようとのことで、ぼくは「ペヤング」を選択。人生で最もペヤングについて真剣に考えた時間でしたね。ペヤングの魂に触れる奇跡の邂逅を感じました。

  • なぜ一平ちゃんじゃなくてUFOでもなくてペヤングを買うのか?
  • お前はなぜペヤングが食べたいのか?なぜペヤングじゃないとダメなのか?

幾人ものソフトウェア関係者がぐるぐるとそんなことを考えて考えぬくという謎展開。更にペヤングについてディスカッション。

「なんでペヤングがいいんですかね?」
「あのお湯を捨てるときにシンクがゴンッってなるよね?アレ聞きたくなるよね?」
「えっ??そこ!?」

で、こんな感じに出来上がり。

パッケージデザイン

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エレベーターピッチ

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パッケージデザインやエレベーターピッチを作るときには勘所があることを教えてもらった。

パッケージデザイン

  • 「どういう機能がある」ではなく「ユーザーが嬉しいこと」を書くこと
  • あえて大げさに、胡散臭く書くこと

エンジニア目線だと「機能」のことについて目が向いてしまいがちだけど、あえて胡散臭く書くことでユーザーにとって何が嬉しいの?っていう点を浮き彫りにさせることが出来るんだと思う。

一生懸命頑張ってアプリを作ってリリースしたのに誰も使ってくれないとか、ちゃんと決められたとおりに機能を実装したのにあんまり使ってもらえないとか、っていうときの処方箋になりそう。

エレベーターピッチ

通常インセプションデッキは関係者全員を収集してやるのがベストですが、一人でやってみて、自分のなかでモヤってしている部分や、不明な部分を関係者に聞いてみるっていうやり方もアリ。

うまくかけなかったところやしっくりこない部分があれば、それは「わからないことがわかった」状態なので、そこを明らかにすれば良いので知っている人に聞いてみればいい。

実践紹介

市谷 聡啓(@papanda)さん

なぜインセプションデッキをつくるのか?などなど。時間の都合上詳しい話はほとんど聞けず残念。

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まとめ

今回のイベント非常に良かったです。前述もしてますがアジャイルって「壁の向こう側の人」がやってる感じがあるんと思うんですが、こっち側の人がやってるよーっていう雰囲気が良かった。

少し話変わりますが常々思うのはインセプションデッキというフレームワークが「アジャイル」の枠組みだけに収まってしまっているのが残念が気がしてます。

なぜかというと、インセプションデッキって「ユーザー」と「プロダクト」と「クリエイター」の間にある暗黙を明らかに出来る優れた仕組みだから、ソフトウェアに限った話じゃなくてもっと普遍的に活用できるはずだし、もっと当たり前に取り入れられていてもいいはずだと思ってます。

だから及部さんのように、インセプションデッキを「楽しい仕組み」に魅せたところがいいなーと思ったわけです。

やっぱり開発は楽しくないとね。DevLove.

アジャイルひよこクラブ

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ぼく自身もアジャイルひよこクラブというビギナー向けのコミュニティー主催してます。

アジャイルなやり方を

  • 実践しはじめた人
  • 実践してみたけどうまくいかなかった人
  • 実践してみた結果もっと改善したいと思っている人
  • まだ実践していないけどこれからチャレンジする人

という方を対象に、もっとソフトウェア開発がうまくいくようにお互いがバックアップしていけるような場にしたいなと思ってます。

情報はこちらで公開しているので良かったら参加くださいませ。

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